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何故、ノンタブリか??

ノンタブリのアニメ・ゲーム・コスプレ事情

ノンタブリのアニメ・ゲーム・コスプレ事情

TVで日本のアニメを見たり、マンガを読んだりするのは、バンコクに限らずタイ全土で非常に一般的です。年率10%で拡大するタイのアニメ市場に占める輸入アニメの割合は65.7%(2011年)、最大の輸入元は日本です。マンガにおいても同様で、1980年代以降のタイにおける日本のマンガの人気は衰えを知らず、シェアは85-90%とも言われています。

インターネットやパソコンの普及率がまだ低いタイのゲーム市場は、ネットカフェで利用できるオンラインゲームが5割弱を占めるほか、携帯電話(特にスマートフォン)の普及でモバイルが2割強を占めています。3人に1人はLINEのユーザーであることからも、所謂ゲーマーとは別の属性のスマホユーザーに対し、日本の高い認知度がソーシャルゲームの分野などで今後発展する期待は大きいでしょう。

ノンタブリーに話を戻しますが、前述のタイにおける日本のアニメなどへの認知度と評価の高さに加え、彼・彼女らのアフター5や休日の行動範囲にバンコク都心部が含まれると考えるのは物理的距離から言って必然です。

彼・彼女らはタイの中でも”日本サブカルチャーの中心地”の温度や流行を日常的に感じている人達ですから、一部は年に1度バンコクで開催されるアニメ・アニメソング・コスプレイベント『JAPAN FESTA』に参加する(物理的にも参加できる)ようなコアファンでありえます。

コアファンはピラミッドの上層を占めるマイノリティであり、積極的な働きかけをせずとも自ら進んで情報収集してくれますので、ここでは■何故、ノンタブリか??の終わりに触れた、1段階2段階手前にあって好意的な層に関連したノンタブリーの事例を挙げておこうと思います。

昨年、あるタイ人の男性がノンタブリーの山道を歩いていて偶然見つけ、Facebookに投稿して話題になった寺院の壁画の写真があります。

[この写真が記事になった日タイ交流型ウェブマガジン”anngle”のwebページ]

http://anngle.org/culture/trivia/characters-temple-thailand.html

少しかたい話ですが、国民の95%以上が仏教信仰者という仏教大国タイにおいては僧はが最も徳が高く、男子は成人の証として、婚前に1-2週間から3ヶ月程度まで短期の一時出家を親孝行の1つとしてする人が今も少なくありません。タイ全土にひろがる僧侶は30万人とも40万人とも言われますから、実に男子の100人に1人近くが僧侶という計算が成り立つことになります。

世界でもっとも仏教徒の多いタイには寺院(僧院)も約3万と非常に多く、どんな小さな村にでも必ずあることから、寺院の役目は国民の祈りの場であることに限らず、集会や相談の場であり、病院や学校として、また娯楽の場としても、幅広く様々な機能を果たすことで人々の生活と密接に関わっています。

寺院に前述のような近代的な装飾が施されているのは、タイであっても当たり前の光景ではありません。とは言えキャラクター寺という呼ばれ方でネット上に時折取り上げられるように、スパンブリーには700年の歴史ある寺院の壁画にドラえもんが、チェンライのサグラダ・ファミリアと呼ぶ人もいるワットロンクン寺院の壁画にはウルトラマンが、と日本のアニメキャラクターが壁画のモチーフにされている事象はいくつも見受けられます。

日本のアニメキャラクターがタイの”寺院”で壁画のモチーフに取り入れられていることは、日本のアニメがタイでいかに浸透しているかを表す1つの現象と言えるでしょう。

もう1つ、一昨年サトリー・ノンタブリ中等学校で行われたカラオケ・コスプレ大会の様子を掲載したホームページを見つけました。

[この写真の掲載されたスィーパトゥム大学バーンケン本校のwebページ]

http://spujapanese.jimdo.com/2012/07/06/spu-japanese-visited-satri-nontaburi-school/

このページで写っているコスプレはドラえもんとジャイアンのようです。タイではドラえもんは非常に人気が高く、アユタヤでは子宝の神様としてドラえもんのぬいぐるみが山ほど奉納されていたりもします。

ノンタブリーを第1歩として充分なデータ収集を行い、バンコク首都圏に出店を広げ、クール・ジャパンプロジェクトで第2第3のドラえもんを生み出していきたいですね。