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何故、ノンタブリか??

ノンタブリについて

ノンタブリについて

2006年秋にスワンナプーム国際空港が全面開港する以前はノンタブリーにあるドンムアン空港(旧バンコク国際空港)がタイの玄関口であるとともに、東南アジアのハブ空港の役割も担っていました。数年前以前にタイに行ったことのある人なら地理的なイメージがつきやすいかもしれません。

チャオプラヤー川に沿って開かれたバンコクの西北部がくりぬかれたような土地に位置するノンタブリーは、1990年以降はバンコク首都圏の県の1つに数えられていますが、都心から20kmの距離にあってほとんどの地区がバンコク市街地の一部、1940年代の一時期にはバンコクの一部として編入されていたほどで、首都圏をつかさどる他4県の中心より、更に言えばバンコク都の東端と比較してもバンコク中心部に近接しています。

東京都で言うところの市部といった感じでしょうか、まさにベッドタウンです。

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タイの人口はこの100年ほどで8倍にまで増加しており、言わずと知れたタイの中心:首都バンコクの昼間人口は数年前の時点で既に1200万人ほどまで増えています。東京都の昼間人口が2013年の時点で1560万人超ですから、比較できるほどの経済規模になってきていることがわかります。

この数字は夜間人口になると数百万人レベルに下がりますが、都市圏(核となる都市とその影響を受ける周辺地域、郊外)で見た場合1450万人以上と2割を超えます。つまり、バンコク内を居住地とする人口と同じ数だけバンコクを通勤・通学圏とするエリアに居住者がいることになります。バンコク都市圏の人口密度は6200人/k㎡で東京ー横浜の4400人/k㎡を3割上回る過密状態、人口増加の波はバンコクに次いで人口の多いノンタブリも例に漏れません。

人口増加にともない世界でも5本の指に入ると言われるバンコク周辺の朝夕の交通渋滞も、ここ10年で前述のスワンナプーム国際空港とバンコクをつないだエアポートリンク(SRT)、スカイトレイン(BTS)や地下鉄(MRTA)などの公共交通機関が充実しはじめ、最初はバスより高額な運賃に抵抗のあった利用者にもその利便性の高さが認知され浸透しつつ、今後も地下鉄(MRTA)を中心に延伸や新線の開通計画が多数あります。

現在のノンタブリーではバンコクへは、まだ自動車でなければバスか水上バス(バンコクの中心を通るチャオプラヤー川の上流にノンタブリーがあるので)が日常の足となりますが、高架鉄道の開通に向けた工事は進んでいます。

東京でも、最近で言えば東京メトロ副都心線の開通や東急東横線との相互乗り入れ、渋谷駅の大工事も終わり、また新たな人の流れが形成されました。東京が今の規模に至った大きな要因の1つが、特に電車が世に出てから形成された20世紀生まれの都市であることが挙げられます。大半が19世紀以前に生まれた世界各国の都市は東西、南北に人が歩いて移動可能な規模であることと比べ、東京の商圏は電車でしか移動しきれません。

バンコクでも鉄道路線の開通が進めば、市民の移動はどんどんスピード化されるとともにその距離も伸び、バンコク首都圏の人口増加も更に進むのではないでしょうか。

■何故、ノンタブリか??

タイの人口約6814万人のうち20歳未満の割合は29.4%(2010年)、日本と同じく65歳以上の人 口が7%を超える高齢化社会です。『アニメ・ゲーム×ファッションアイテムinThailand』というプロジェクト名称を読んで字の如く、若年層向け商 材の出店に際しては当然、経済発展の裏付けとも言える昼間人口の多い都心部を検討します。タイで言えばバンコク都がその都心部にあたります。

しかし、当社はタイ1号店となるhiyori barをバンコク都の隣ノンタブリに出店しました。何故バンコクではなかったか?何故ノンタブリか??

主たる理由をいくつか挙げてみると・・・

・バンコク都居住者と同じくらいバンコク首都圏居住者が存在する

→商圏をバンコク都内に限定せずとも、生活水準(娯楽や服飾での支出割合)で大差のない消費者を獲得できる首都圏の周辺地域まで候補地を広げても、立地条件や物価、人件費など様々なコストも踏まえた場所選定が可能な環境にある

・タイ国内(国民)でのクール・ジャパン浸透を目的とすれば外国人比率は低いほうがよい

→ 東京23区の外国人居住者割合が4%であるのと比較すると30%とも言われるバンコクの外国人比率は高い。大手の銀行やマクドナルドでドラえもんやキティ ちゃんといったアニメキャラクターが販促ツールに採用されるタイでは日本のサブカルチャーに対する認知度や興味関心度は充分高く、外国人の少ない地域を選 んだ出店も地域社会の理解度へのハードルは低い

・日常的な消費者行動に影響もでる政情不安に考慮する

→2014年1月の非常 事態宣言は記憶に新しいが、タイでは2009年、2010年にも同様に発令があった。現代の日本ではタイで起こる規模のデモはないので、政情不安による経 済全体や国民の日常への影響は想像しがたいが首都封鎖などで予定外の長期休業、交通網の麻痺による物流の停滞など円滑かつ計画的な店舗運営に支障を来たす 事態も想定される

ノンタブリに出店を決めた理由はつまり、一言で言えば出店候補地をバンコク都内に限定する必要がなかったからです。

実 際、来店客はバンコクで開催されるコスプレイベントに自身もゲームやアニメのキャラクターに扮して興じるようなコアなファンから、コスプレ衣装で接客する スタッフに興味・関心を持った同世代の普通のタイの若者、休日の買い物を楽しむために通りかかった日本のサブカルチャーに抵抗のない広い世代の一般のお客 様まで様々です。

クール・ジャパンプロジェクトの目的から言えば結果的に、バンコク都の中心に出店し、既に日本のサブカル チャーの支持者である仮装したコアなファンの聖地と化してしまうよりも、1段階2段階手前にあって好意的な層が気軽に接触できる場を提供しているという意 味で、よりよい選択であったと考えています。